ニラ

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採算性は抜群のニラ

優れた採算性!

シソミツバパセリと並んで家庭菜園での採算性がきわめて高い作物である。

ニラはほかの食材と組み合わせるだけで、簡単におかずを1品増やせるから便利だ。しかも、ニラと組み合わせる食材はたいていお安い。モヤシなら39円もあれば買えてしまう。

しかし、スーパーのニラは細長い袋入りが1袋99円ぐらいはする。1食あたりに投じる材料費としては、決してお安くない値段だ。それゆえ、ニラを自家栽培することは食材費を節減するうえできわめて効果的なのである。

ニラのタネは1袋250円ぐらい。これで65cmプランター4つ分ぐらいは十分足りるうえ、3年間ぐらいは繰り返し収穫し続けられるからお買い得だ。さらに、2年目以降なら生育もむちゃくちゃ早くなる。

ニラモヤシ炒めやレバニラ炒めなら65cmプランター1つ分で、2~3人分のニラを収穫できる。株が充実した2年目以降なら、さらに収穫量を増やすことが可能だ。

種まき

発芽
発芽する様子。ニラは折れ曲がって発芽するのが面白い。

まずはトレーに種をばらまきして育苗する。

種まきは春か秋のどちらか。暑さにはやや弱いようで、日射が強すぎると葉が枯れてしまうことがある。若い株ならなおさらだ。秋から始めたほうが虫も付きにくいから、秋まきのほうが適しているという考え方もある。いっぽう、秋冬の生育は時間がかかるから、最初の収穫を翌春以降まで待たねばならない秋まきよりも、春まきのほうがいいという考え方もできる。

つまり、春まきにも秋まきにも一長一短があり、どちらかが優れているという結論は出しがたい。どっちでもいい。

植え付け

放っておいても勝手に育つ丈夫で厚かましい植物である。むしろ、あまりに丈夫すぎてあちこち広がると厄介だし、景観的にも好ましくない。地植えができる場合でも栽培管理の面からプランター栽培を推奨する。

トレーにまいた種が5~6cm程度に育ったら植え付けをおこなう。当面は10cm間隔ぐらい、65cmプランターなら5株×2列といった感じにしておき、将来込み合ってきたら分ければいい。

土は安い園芸用土で十分だ。ただ酸性の用土は好まないようだから、苗を植え付ける土には苦土石灰をまぶしておくこと(消石灰でもかまわないが苦土石灰のほうが使いやすい)。苦土石灰を入れてからは植え付けまで2週間ぐらい土を寝かせたいところだが、晴天が続いていれば1週間でもとくに問題はなかろう。

苗を植え付ける用土には肥料も投入しておいたほうが生育が早い。普通は油かすでいい。油かす大さじ1杯程度を毎週な。面倒くさければ粒状の固形油かすも便利だぞ。ただ、固形油かすは普通の油かすに比べると、効き始めるまでに時間がかかる。1週間ぐらいのタイムラグがあると思っていただきたい。

育て方

たいていのタネ袋には風通しが悪いと病気にかかるとか、アブラムシに注意しろという説明があるが、神経質になる必要はなかろう。被害が出たらタネ袋の説明にしたがい対策すればいい。

「かんかん照り」は苦手な植物だから、真夏はいくらか気配りが必要になる。真夏には日の当たりすぎない場所で栽培し、土が乾きすぎないように注意。水やりが朝夕2回必要になる日も少なくないだろう。

花を咲かせてしまうと味も落ちるし株も弱る。つぼみが付いたらすぐに摘み取る。

収穫

だれでも簡単に栽培できるニラだが、収穫には若干の工夫を凝らす余地がある。株を弱らせず、収穫量を最大化するのが目的だ。

種をまいてから最初の収穫は草丈が30cm程度に達するまでじっくり待つ。最初の収穫までならまずないと思うが、万が一つぼみが付いてしまったらすぐに摘み取り、多少株が小さくても収穫に踏み切れ。

刈り取り後には油かすなどの肥料を施すと、その後の回復が早くなる。再度草丈が30cm程度まで伸びたら2回目の収穫にする。

刈り取る位置

「収穫の際にどの部分で刈り取るのか?」この課題に対する解答は諸説あるが、「株元から3~4cmのところで刈り取る」という説明が多いようだ。

弊サイトでは、下の写真のように外側の葉を残して収穫するという方法で、比較的良好な実績を収めている。収穫後、新しい葉が育つまでの間も光合成がされやすいことが、株の回復を早めるものと思われる。

刈り取りポイント例

刈り取った部分からは新しい葉がすぐに伸びてくる。新しい葉が10cm程度にまで伸びたら、古い外側の葉は刈り取ってしまう。古い葉は残しておいても枯れてしまったり、弱ってしまうことが多い。