谷ケ原浄水場

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城山から俯瞰1942(昭和17)年に創設され、2017年には75年を迎えた施設である。当初は相模川の伏流水を水源としていたが、のちに沼本ダムで取水され津久井分水池経由で送られる水も利用するようになった。写真は城山頂上付近で撮影。手前には津久井分水池の設備が見える。

最初に掲げた遠望の写真からも察せられるように、桜の名所だ。毎年4月はじめに施設内に入ることができる観桜会が開催される。
正門から桜並木が続く

そして例年6月はじめの水道週間に合わせて施設開放デーが開催される。透き通った水面に森や雲が映る。ここは最初期の施設である緩速ろ過池。
透き通った水が絵になる
横流沈殿池。青い設備は汚泥掻寄機。この前の工程になるフロック形成池では、薬品を注入し汚れを固める。
雲が映り込む

津久井分水池城山ダム下流の相模川から取水された水が取り込まれる着水井。
浄水場に原水が注がれる
着水井にも処理の仕掛けがある

谷ケ原浄水場では創設時からの緩速ろ過方式と、昭和30年代後半から追加された設備による急速ろ過方式の両方を運用している。施設開放デーには「利き水」もできる。緩速ろ過の水は明らかに美味しく、水がぬるい場合にはいっそう差がはっきりする。残念ながら、水道水として供給される際には両者はブレンドされてしまうそうで、このようなイベントでないと味比べはできない。設備や浄水の工程に関しては谷ケ原浄水場のサイトを参照。
利き水のウォータークーラー

施設公開デーの見せ場は急速ろ過池の洗浄デモンストレーションであろう。ろ過池の水をいったん抜き、逆流させて汚れを取り除く。
洗浄前
水を抜き始めた。
水位が低下しはじめる
水位がさらに下がる
空っぽに。
水が抜けた
砂が見える。
濾過池の底が見える
逆流させて砂を洗う。逆洗というそうだ。
逆流させて洗浄
再び水がたまる。
通常のろ過を再開

急速ろ過と緩速ろ過の仕組み。急速ろ過池の洗浄は水を逆流させてまさに「引っかき回す」のだが、各層のろ過材は比重が違うので元どおりの重なり方に戻る。単純だけれど、アイデアに感心する。
ろ過材の比較
アンスラサイトとろ過砂

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