横着園芸

トマト

ワサワサ茂らせるぞ

西日はこれで遮れるだろう

西日を遮る程度ではあるが…

実を食べることだけを考えると、採算性はよろしくない。温室があればいいのだが、露地栽培だと実が割れてしまう可能性が高い。となると、生食用には難ありで、ペーストを作ったり、焼きトマトやスープにして利用することになってしまう。

トマトは旬になるとスーパーで4個99円ぐらいで投げ売りされることもしばしばだ。いっぽう、トマトを家庭菜園で育てるとなると、苗やタネの費用のほかに用土や肥料、支柱、プランター、苦土石灰など、さまざまなコストがかかる。

トマトもある程度の日よけにはなるが、日よけとして利用するには、ニガウリやキュウリのようなウリ科植物にはかなわない。しかし、ウリ科植物を続けて栽培すると連作障害が発生してしまう。そこで、ウリ科植物の間にトマトを栽培すれば、連作障害も回避でき、土壌の回復も図れる。こうした効果を勘案すれば、十分にペイするだろう。

で、日よけになるかどうかっていう話だが、特定の方向から入る日差しを遮る用途なら、十分実用可能。がしかし、ウリ科植物みたいに上からの日差しを遮る用途には使えない。

趣味としては種から育てるほうが楽しい。しかし、タネからの栽培は何かと手間がかかり、無駄もある。育苗に必要なスペースも課題である。

そして、袋入りのタネを買うと余ることが多い。よっぽどの「お屋敷」でもない限り、日よけ用のトマトの苗は2本もあれば十分だ。これでも盛夏にはぐんぐん伸びて、相当な面積にわたって日差しを遮ってくれるぞ。「横着園芸」としては、必要な分だけ苗で購入することを勧める。

実生(種からそのまま育てたもの)の苗なら68円ぐらいで売られていることも多いが、苗で買うなら接ぎ木を選ぶべきだ。接ぎ木の苗は198円程度するが、収穫量や生育の良さを考えると、十分に元は取れる。接ぎ木苗は連作障害にも強いぞ。

6月ぐらいになると接ぎ木の苗も投げ売りが始まるから、苗を安く買いたいなら遅めに購入してもいい。6月スタートでも7、8月には十分日よけになるぞ。品種によっては7月植え付けでも十分いけるから、焦る必要はない。

育て方

土と肥料

土そのものは安い園芸用土で十分だ。ただ、苗を植え付ける土には苦土石灰をまぶしておくことが不可欠になる(消石灰でもかまわないが苦土石灰のほうが使いやすい)。苦土石灰を入れてからは植え付けまで2週間ぐらい土を寝かせたいところだが、晴天が続いていれば1週間でもとくに問題はなかろう。

実を充実させたければ肥料も必要だ。普通は油かすでいい。油かす大さじ1杯程度を毎週な。面倒くさければ粒状の固形油かすも便利だぞ。ただ、固形油かすは普通の油かすに比べると、効き始めるまでに時間がかかる。1週間ぐらいのタイムラグがあると思っていただきたい。

支柱

つるが出るわけではないが、あちこちに寄りかかりながら育つ作物だ。支柱やネットを適宜設置する必要がある。条件に合わせて各自工夫してほしい。日よけにはなるが雨戸を閉められないとか、間抜けな事態にならないように気をつけろ。

少々目障りだが、一度設置した支柱やネットは何年も使えるぞ。それだけに、最初に設置するときは手戻りがないように熟慮を重ねるべきであろう。

水やり

トマトに水はやるな。雨が降ったときの水分で十分だぞ。

整姿・摘果

やり方はいろいろある。実を大きくしたければ、実の付いていない枝は整理するのが基本だ。それでも西日を遮る程度の日よけとしては十分機能する。さらに1カ所あたり実が2~3個程度になるように摘果すると果実が充実する。

ただ、実が大きくなるとどうしても割れたときに目立ってしまう。実を大きくして、しかも割れないように栽培するとなると、土壌の水分が急激に変化しないようにマルチをしたり、いろいろ工夫が必要になってくる。

横着を決め込むにしても、整姿・摘果をまったくやらないというわけにはいかない。しかし、売り物にするのでなければ、実の大きさは妥協して整姿・摘果の手間を削減するほうが、費用対効果が高いだろう。

コンパニオンプランツ

コンパニオンという単語を聞いただけで変な想像をするヤツがいるが、そういうのは帰っていい。とっととその手の店にでも行け!

トマトのコンパニオンプランツとして頻繁に取り上げられるのはバジルだ。実際、トマトとバジルの相性はとてもいい。

しかしだ。バジルなんて頻繁に使うものではない。1回収穫してペーストを作ったらそれで1シーズン分終わりになるだろう。なので、弊サイトとしてはトマトのコンパニオンプランツとしてお勧めするのはシソである。どっちもシソ科だからな。

それとなくシソを植え付ける、と

シソなら夏場は毎日のように消費するだろう。

収穫と利用

乾燥地原産の作物だけに、水に当たると実が割れる。家庭菜園でのトマトの栽培は実が割れることとの戦いだな。温室があれば楽勝でこの問題を解決できるが、温室なんて持っていないだろ?

一雨、二雨降るとこの実も割れちゃうんだよね

弊サイトとしては、トマトはある意味「裏作」だから、ある程度実が割れることは許容する。実が割れたトマトの使い方を工夫しようじゃないか。筆者がお勧めするのはキーマカレーだな。湯引きして使うんだから、実が割れていたって気にはならないぞ。S&Bスパイスフェスタのキーマカレーはスーパーに行くと378円ぐらいで売っている。タマネギと合い挽き肉を買ってくるのを忘れるなよ。

もちろん、割れたトマトはスパゲティーのソースに使うこともできるぞ。しかし、小さいトマトを湯むきして下ごしらえするのはかったるい。もっといえば、ホールトマトの缶詰うわ、それをいったらおし

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