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石棚山・檜洞丸

アクセス難度
装備:トレッキング
道路:山岳路、狭小区間
交通機関:本数少
行動:90/100(登山道、急峻、徒渉、経路不明瞭、クマ注意、悪条件、徒歩4時間以上)

石棚山から檜洞丸直下のツツジ新道合流まで、延々と、この美しい道が続く。
『かながわの美林50選』のなかで、ブナを冠しているのは塩水橋から丹沢山への経路「丹沢堂平」と、ここ「檜洞丸のブナ林」である。1970~80年代以降、檜洞丸のブナ林は衰退が進んだといわれる。ブナが枯れ、草地になってしまったところが目立つ檜洞丸山頂付近でも、昔どうだったのかを知らなければ十分楽しめる。
しかし、ブナの木がたくさんある森を歩きたいのなら、檜洞丸山頂から石棚山方面へ南西に続く尾根、石棚山稜が断然充実している。

というわけで、石棚山稜にどうやって行くかを検討した。

結論はこうなった。

逆回りはイケマセン。板小屋沢ノ頭と石棚山の間はアップダウンが激しいだけでなく、グラグラする石、大きな段差が連続する。初心者には経路がどこなのか判断しづらいところもあり。登りならまだいいが、下りは危険。実際に遭難も発生していて、松田警察署のサイトなどを参照すると遭難はたいてい下りで起きている。
いずれにしてもGPS付きの端末に『山と高原地図アプリ』を入れておくことを推奨。


さて、西丹沢ビジターセンターから箒沢公園橋まで県道76号線を歩き、登山道に入る。西丹沢ビジターセンターの駐車場については「本棚と下棚への経路」のページに記した。この日は5月末の花の季節だったので、平日にもかかわらず朝6:00前の時点で20台ぐらい駐車していた。

いかにもこれから山に入るという感じの箒沢公園橋からの眺め。

最初のうちは過剰サービスといえるほどテープや指導標が設置されている。徒渉もあるが渡るべきポイントにはリボンがあり、増水していない限り大丈夫だ。

堰堤を越える地点もある。見た目はおどろおどろしいが、ハシゴがしっかりしているので簡単だ。

先に進むにつれ、だんだん怪しくなっていく。それでも、板小屋沢ノ頭までは危険箇所にロープ、クサリ、ハシゴなどが設置されている。


林に囲まれた板小屋沢ノ頭の指導標。

板小屋沢ノ頭から石棚山手前で西丹沢県民の森からの経路と合流する地点までが危ない。両側の崖が地の底まで続いている鞍部を通過したり、その前後にはどこを通ったらいいのか分かりにくい急な斜面を登り下りしたりが続く。今回は比較的経路が分かりやすい登りで使ったが、それでも何カ所か「ここはどっちへ行くんだ?」となる地点があった。

石棚山手前まで来てしまえば安全だ。ここから先は檜洞丸までなだらかで、歩きやすい。そしてここからが、この記事の核心であるブナの美林だ。



ん?この記事もう終わりだと思った?まだ続くぞ。
なだらかな登山道の途中に石棚山の指導標が立っている。ここにはベンチはない。

檜洞丸へ向けて登っていく。上のほうには階段や木道もある。

5月、6月にはゴヨウツツジ(シロヤシオ)やトウゴクミツバツツジが咲く。これらは石棚山稜よりもツツジ新道のほうが充実している印象だ。見ごろは標高によって変わる。

檜洞丸山頂の見晴らしは樹木に遮られて今ひとつなので、少し手前がいい。

檜洞丸山頂から犬越路方面に100m下ったところも見晴らしがいい。

檜洞丸山頂近く、青ヶ岳山荘から蛭ヶ岳方面の眺め。石棚山稜に比べてしまうと樹木が寂しい。

檜洞丸からの下りはツツジ新道で西丹沢ビジターセンターまで戻る。人が多いので迷うことはないが、ツツジ新道も決して歩きやすい道ではない。石がゴロゴロしていて大きな段差が連続する道を登り下りしなければならず、県道76号線からの取り付きにはいきなり「熊出没注意」の看板が設置されていたり、ワイルドなクサリ場を通過したりと、一般登山道のわりにはなかなかの難路である。
檜洞丸付近の登山道はどこも大変だ。「はじめて山歩きをする」という人にこのエリアは向きそうもない。秦野市の大倉から塔ノ岳に登るなど安心確実なコースでの練習が必要だ。

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