虫除けになるらしい!
弊サイトでは日本の在来種や外来種でもすでに定着している植物を好んで選択している。このページで取り上げるペニーロイヤルミントは決して日本に定着しているとは言い難い。しかしそれでも掲載しようと思うほど、効果に魅力があった。
まず、グランドカバーとしてたいへん素性がよろしい。匍匐茎を伸ばして広がるから、グランドカバーには好都合だ。踏みつけには非常に強い。そして、気温が上昇する5~6月以降には、ミントらしい香りも楽しめる。
さらに、さまざまな害虫の防除効果があるといわれている。
期待される害虫防除効果と実際
- ノミ
- 犬や猫を飼っているなら玄関へのアプローチに植えて利用するといい。
- →猫がいるので試してみた。
- →室内飼いだから効果を証明するには微妙だが、少なくともノミが付いている様子はない。
- カメムシ
- キュウリやニガウリなど瓜科植物の株もとに植えれば、マルチ代わりにもなって便利だろう。
- →キュウリとニガウリで実験。
- →カメムシがいなくなるわけではない。ただ、苗に深刻な影響を与えるような増え方はしなかった。
- アリ
- アリ自体にはさほど害はないが、アリはアブラムシと「グル」だ。アブラムシも防ぐ効果が期待できる。
- →ペニーロイヤルミントは派手にアブラムシに食われる。アブラムシがいなくなるということはない。
- →がしかし、アリの「後ろ盾」がないから、アブラムシが極端には増えない模様で、ほかの植物への被害は軽減された。アリはいなくなるわけではないが、少なくともペニーロイヤルミントはお好きではない様子。
種と苗
ホームセンターの店頭にタネや苗が並ぶことはまれで、入手が難しい。ほとんどの場合、通販で取り寄せることになりそうだ。
通販ではタネも販売されているが、ミントはどの種類でもそうであるように、タネからの栽培には適さない。生育に時間がかかるうえ、香りの良い株から挿し芽したほうが素性のいいミントを栽培できる。購入するとなればほぼ自動的に苗だ。
急いで地面を覆い尽くしたいということでなければ、2株購入すれば十分だろう。気温が高い4~5月以降なら1カ月でも相当に広がるぞ。
肥料をやる必要はまったくないが、10cmぐらいの深さまでは土を耕しておきたい。
3月28日
5月23日
育て方
日照はそれなりに必要だが、比較的日陰にも強い。日陰でも1日1~2時間の日照を期待できれば、生育が遅くなることはあるものの十分栽培可能である。
10cmぐらいを刈り取って地面に差すだけでも、高確率で挿し芽に成功する。増やすのはこの上なく簡単だ。むしろ増えすぎて根詰まりを起こすことがある。
根詰まりを防止するために、3月ごろにはいったんすべて根ごと撤去して土を耕し、新たに植え替えるといいだろう。3月に植え替えを実施しても、大型連休のごろには相当な面積に広がるぞ。
使い方と注意点
緑肥にはできない
恐ろしい生命力の持ち主であり、挿し芽も簡単にできる。刈り取って緑肥として利用しようとしたはずが、そこいらじゅうにはびこってしまうおそれがある。緑肥としての利用はお勧めしない。
交雑注意
繁殖力は旺盛だ。そしてミントはシソ科の植物である。シソ科の植物はたいへんな助平であり、油断をするとどんどん交雑する。
交雑してできたタネから芽が出始めると想像しただけで恐ろしい世紀末が到来するから、十分な注意が必要だ。葉の形状はそっくりでもまったく香りがないミントが庭を覆い尽くしたときのことを考えてみたまえ。花穂は基本的に摘み取ってしまうのが安全だ。
開花させてみた。
食用不可
いくらか毒性があり、食用は原則不可。いっぽう、ポプリにして押し入れに突っ込んだり、風呂に入れて楽しむことは十分可能だ。押し入れに入れれば防虫効果も期待できるぞ。