鰹は美味い。初鰹も戻り鰹もいい。日本では鮮度のよいカツオが手軽に入手できるから、まずは刺身で楽しむ。おろしニンニクでも、おろし生姜でも、好きな薬味で食えばいい。
で、買うなら絶対、柵で仕込んだほうがいいな。「柵を買っても余って困る」という意見がしばしば聞かれるが、そんなことはないぞ。残ったらいくらでも使い道がある。
そうした使い道のひとつがラケルダだ。「ラケルダ」っていうのは、トルコやギリシャで食べられている料理である。魚を塩とオリーブオイルに漬けたもので、漬ける魚の代表格はカツオだ。
トルコ文化に造詣が深いことになっている筆者としては、残ったカツオの刺身の使い方としてラケルダをお勧めする。
- 柵はさっと水で洗って、キッチンペーパーで水気を取り、取り換えたキッチンペーパーで巻いたら紙の上からひと塩振って、風呂に入ってこい。
- 刺身用の大きさに切る。紙で巻いてひと塩振ってあると、身が締まっていて切りやすいぞ。端のほうは斜めに切って大きさを揃えろ。
- 刺身の残りをタッパーに並べる。ガラスや琺瑯の容器があればなおよい。
- いくぶんいい目の塩を振る。
- 酢を振る。寿司酢はダメだ。合わない。
- オリーブオイルを振る。
- 好みでレモン汁かポッカレモンを振る。
- 冷蔵庫に入れておく。
以上だ。
トルコやギリシャで食べられている本場のラケルダは、1週間以上漬け込まれている。塩はどっさりと使う。しかし、生魚が好きな日本人の味覚には、これでは漬かりすぎで楽しくない。
ほどほどの塩加減で漬けて冷蔵庫に寝かせたら、2日目あたりからが食べごろだ。