- アクセス難度
- 装備:トレッキング
- 道路:山岳路、狭小区間
- 交通機関:実用困難
- 行動:100/100(登山道、急峻、徒渉、道標未整備、ヤマビル注意、クマ注意、悪条件、徒歩4時間以上)
「展望台」から。
そして滝壺から。
まずは、お断りを。
「弊サイトでは到達するのが極度に難しいところへ行く記事や、やたらカネがかかる場所を訪ねる記事はやらない。」という方針を原則としていますが、この滝に到達するのはかなり困難で、危険な箇所も通過します。
次に、以降の記事を簡略にするための説明。
- 下流に向かって右側が「右岸」
- 下流に向かって左側が「左岸」
早戸大滝は神奈川県内では洒水の滝とともに、「日本の滝百選」に選ばれている。登山道といえるほどの経路は整備されておらず、途中幾度も徒渉が必要で、到達が困難な滝とされている。早戸大滝についてはあちこちのページに紹介されているので、相変わらずツマラナイ私の説明はこのぐらいにする。その他の情報はググっていただきたい。
2016年10月に偵察した際には丸太橋も流されており、徒渉が困難で到達を断念した。
そして雪もすっかり解けた2017年の5月、登山口ナビさんで経路の丸太橋が復旧したという情報をキャッチした。しばらく本格的な降雨もなかった2017年5月8日、早戸大滝を訪問した。
伝道の地図でも橋はある、と。
(追記:丸太橋は2017年9月時点には流失し、その後2018年4月になって架け直されました。2018年の訪問記もご参照ください。がしかし、2018年秋には再び流失。)
当日の経路。マーカーをポイントすると説明(というほどでもない)が表示される。
『山と高原地図』でのコースタイムは、クルマを置いた魚止橋付近から早戸大滝まで、1:55となっている。この日は経路の丸太橋が充実していて比較的順調な行程であったが、2:30程度を要した。後述する寄り道分を抜いても、正味2時間程度かかってしまった。
丸太橋はいつ流されるか分からない代物だ。丸太橋がない場合には、渡る地点の見極めや履き物の交換で徒渉1回あたり15分ぐらいは簡単にロスタイムが生じてしまう。
造林小屋を経て最初に早戸川を徒渉する地点までの状況は、2016年の偵察時とほぼ同様だ。ただし、造林小屋までの間はロープが設置された箇所を通らず、ジグザグに登る経路が整備された。伝道から登り始めてすぐの小さな沢を渡ったら直進する感じに誘導され、その先は776mの地点に登る経路だったのが、沢を分かるとやや右に折れてジグザグに登るようになった。
前回はこの経路に気がつかなかっただけなのかもしれないが、ロープの斜面へ誘導するテープは撤去された模様。
おっかない桟道は相変わらずなので、通行注意である。私はなにしろ高いところが苦手だ。昔は「超」が付くほど得意で、とび職にだってなれそうなぐらいだったのだが…。年はとりたくないねえ。
丸太橋が整備されたのは、付近が水源協定林になり、伐採が着手されたからのようだ(確認はしていない)。
2016年の偵察時に引き返した地点に、2つ目の丸太橋がかかっていた。今回も橋がなければ厳しい水量。ただ、前回と違い暖かいので、橋がなくてもジャブジャブ行く判断をしたと思う。
丸太橋はしっかり作られているが、おそらく付近で切り出した材料を使っていて、木が乾燥していない。なので、しなる。
2連になった3つ目の丸太橋で右岸に渡る。過去には左岸の崖をよじ登る経路をたどる記事が多かったようだ。ここで右岸に渡れるとだいぶん楽だ。
なお、左岸の崖にはロープが設置されていて、足場もそれなりにはある。登るだけなら見た目ほど難しくはない。
丸太橋のおかげで、ちんたら歩いてきたにもかかわらず魚止橋から雷平まで1時間少しで到着できた。原小屋沢が分岐する地点で、広々している。
3つ目の丸太橋から左岸を進むコースを選ぶと、ここ雷平で左岸から右岸に渡る必要があるが、川幅が広くてコース選びが難しそうだ。
原小屋沢を分けた早戸川を左岸に渡る4つ目の丸太橋。ここから少しの間、左岸を進む。この写真は左岸から雷平を見ている。
丸太橋は5つ目のここが最後。左岸から右岸へ渡る。奥へ行くほど怪しくなってくるのは仕方ない。
しばらく行くと斜面を登る方向に赤いテープが付けられている。高巻きする道でもあるのかと思い、少し寄り道してみたが、登っていく先は森林の作業現場のようだ。早戸大滝方面へは斜面を登らず河原に下り、すぐ先を左岸に徒渉する。
2017年5月8日の時点で、歩く経路がはっきりしていたのは、このあたりまでだった。伐採作業のために整えられたのだろう。
ここから先には、はっきりした経路はない。歩きやすそうな経路を選びつつ進む。徒渉すべき地点にはケルンが積まれていて目安になるが、流れが変わるとあてにはできなくなる。
早戸大滝のある沢、大滝沢への分岐。ここで左岸から右岸に徒渉し、大滝沢に入る。滝まではすぐなのだが、木の葉も茂ってきて分岐点から滝は見通せない。伝道の地図にも注意があったように、この分岐を見落とす人は少なくないようだ。
GPS付きのiPadに『山と高原地図』を入れているので迷いなく経路を選べたが、そうでなければ徒渉が煩わしくて迷いが生じるかもしれない。そういうのが危ない。
この青い矢印を「直進」と勘違いすることもありそうだ。実際は右岸へ徒渉の指示。矢印は右岸に向いているのだが…。
目がよければ右岸にロープが見えるかもしれない。奥が大滝沢だ。
ロープで登らずに沢伝いに進むと滝を見上げる地点に出る。距離的にはすぐだ。ただ、すでに緑の勢いが強くなりすぎた感もある。ここは飛ばして、直接最初のロープを登ったほうがいいかもしれない。
滝を見上げる地点から展望台によじ登ることもできる。ロープもあり。登りはなんとかなるが、ここを下りに使うのは危なっかしい。
滝壺に行くには、ここを通過する必要がある。奥が滝壺。ロープはあるが、滝壺側の固定が怪しい。
この日は大変条件がよく、登山靴をいくらか濡らし石を伝って渡る場面はあっても、水の中をズブズブと歩く必要のある徒渉は無しで済んだ。
「どなたにもオススメできる滝」ではないが、これでも比較的安全な経路を選んでいる。へつりを経由している方が多い最初の丸太橋と次の丸太橋の間も、高巻きをして回避した。伐採作業の方は当然へつりを通ったりせず、高巻きしている様子だ。危険性が高いと思われた箇所の三傑は以下。
- 滝壺に至る経路
- 滝を見上げる地点から登る経路:いったん大滝沢の分岐側に戻れば回避可能
- 造林小屋と最初の丸太橋間の桟道
事故が起きるとイロイロうるさいことをいう無粋な連中が出てきますから、いらっしゃる方は気をつけてお願いします。