- アクセス難度
- 装備:トレッキング
- 道路:狭小区間、未舗装
- 交通機関:実用困難
- 行動:50/100(登山道、急峻、クマ注意、徒歩4時間以上)
手っ取り早くブナ林を楽しめるスポットはたぶんここ、菰釣山(こもつるしやま)の周辺だろう。「道の駅どうし」から三ヶ瀬(さがせ)川、西沢を林道沿いに遡る。そして、その名もブナ沢という沢沿いに東海自然歩道まで登り、神奈川・山梨県境の尾根伝いに菰釣山の山頂に至る。
山歩きを楽しむ目的なら、菰釣山、城ヶ尾峠と周回するコースが選択されることが多いようだ。しかし、今回の目的はできるだけ手軽に、楽してブナ林を楽しむことである。往復同じルートになってしまうが、入れるところまではクルマで入ってしまおうという考えだ。神奈川県のコンテンツなのに山梨県側からアプローチするのもまた、楽をしたいからである。
いや、道志川は相模川に合流するのだ。「神奈川水めぐり」のネタとしてはこれでいいのである。そして2016年は、横浜市が水源として道志村の森を取得してから100年という、記念すべき年にあたった。
道の駅どうしから、道志の森キャンプ場を目指す。ここまではナビで簡単に行ける。
なお、バスは道の駅どうしまでで本数はとても少なく、土日祝日には使える時間帯の便がなくなってしまうから、クルマが使えない場合にはとても難しいディスティネーションである。
三ヶ瀬川沿いから西沢のほうに進む。道志の森キャンプ場の敷地を抜ける。このキャンプ場は良さそうだが、今回の目的はキャンプではない。
キャンプ場の敷地を抜けると右側に何軒か別荘のような家屋が並んでいる。西沢沿いの道を進んでいく。路面の状態はどんどん怪しくなってくるから覚悟してほしい。最低地上高が低い車の場合、有料で道志の森キャンプ場に駐車することもできる。
キャンプ場を抜けて西沢林道を遡る。右側にわき水がある。ここまでの区間もかなりデコボコしている。秋は落ち葉の下に大きな石が潜んでいたりするから、注意が必要だ。
誰かがコップをかけてある。飲んでみたが腹は壊さなかった。
道幅はいうまでもなく一車線で、ところどころに離合可能な部分がある程度だ。わき水を過ぎて少し先、右側の崖に擁壁が組まれたあたりはやや広くなっている。行儀の悪いヤツがいなければここに3、4台駐車が可能。
例えばトヨタ・プリウスなんかはここが限界だろう(新型は道志の森キャンプ場に停めたほうが身のためです。だいたい買ったばっかりだろうから、こすると悔しいだろ?)。私の車の場合、もう少し先まで進めそうだったが、今回はこの地点に駐車して歩き始めた。亀の子になってロードサービスを呼ぶような事態に陥るとみっともないからな。
Googleマップに示したルートもこの地点から記録しているので参考にしていただきたい。
今回クルマを置いた地点から歩いて15分ぐらいで林道のゲートに到着する。
気になるここまでの林道の状態であるが、結論を先に書いてしまう。
最低地上高が確保されていてオーバーハングが短ければ四駆は必要ない。ワゴンRのような軽自動車は前後のオーバーハングが短く幅も狭いから、路面に凹凸があるところでも慎重に片側を凸に乗せて走ってくれば問題なくここまで来れる。
いずれも積雪期は知らん。
ゲートの左側には、洗い越し(橋がなく道路上を川の水が流れている)の先にさらに林道が続いているから、そちらへ進む。チェーンのゲートがあって車輌は入れないが、林道なので楽な歩きである。
大々的に法面保護された区間を通り抜ける。ここはGoogleEarthでも目立つ。
林道からいよいよ登山道に入る地点。指導標がある。ブナ沢沿いに尾根を通る東海自然歩道まで登る。
何度か沢を渡る。雨上がりでなければとくに危険なところはない。間違いやすいところには木の枝にピンクのテープも付けられている。
ブナ沢の風景はとてもいいのだが、北斜面なので朝は光線が良くない。掲載している写真は昼ごろ通った帰り道で撮影したものが多い。これもまた、周回コースではなく往復コースにした理由である。
昼ごろにはこれでもか、ってぐらいにいい光が差し込む。がしかし、日の光の差し具合は刻一刻と変わっていく。そのたびに表情が変わる。下山時にはこのあたりでずいぶんと時間を費やして、相変わらず「猫の散歩」さながらの山歩きとなった。
東海自然歩道の尾根が見えてきた。あの向こうは神奈川県になる。尾根に上り詰めるところが、結構急な登りになる。水平の直線距離500mたらずで、200m以上登る感じだ。
この登りの斜面には、真っ黒な火山灰の区間もある。富士山の噴火によるものらしい。ズルズル滑りやすいけど。
尾根を上り詰めてブナ沢乗越に到着。この先は神奈川・山梨県境の東海自然歩道を尾根伝いに歩いていく。東海自然歩道はここまで登ってきた区間よりも格段に登山道の整備が良くなる。
まだ200mぐらい登らねばならない。でも、林の中の道は楽しい。
林がきれいだから、もう少し先まで行ってみる。せっかく菰釣山の山頂に登ったのに、下りていく。もったいないね。高低差は50mぐらいだろうが、かなり急な下りだ。