見学コースも整備された水源林が川沿いに広がる。水源林エリアには滝郷の滝もあり、天候がよければ水遊びも楽しい。
例によって、看板の写真を掲載して説明を端折る。神奈川県のサイトからも地図が手に入る。
スタート地点は足柄上郡松田町寄の、寄大橋である。難読地名だ。寄大橋から道は二手に分かれ、どちらも作業用の林道が整備されているが、一般車はこの先進入禁止。寄大橋の左岸、右岸の路肩に10台分程度の駐車スペースがある。
ここから巨木林、複層林、混交林、そして広葉樹林と多様な森林を見るために、冒頭の看板の「周遊歩道A」をたどってみることにしよう。まずはお約束である記事を簡略にするための説明。
- 下流に向かって右側が「右岸」
- 下流に向かって左側が「左岸」
次に持ち物と道具。
- 長袖長ズボンの服装:草やクモの巣が当たったりする。虫除け、ケガ防止の役目もあり。
- 軽登山靴:スニーカーでもなんとかなるが、あれば楽
- マリンシューズ:徒渉や滝で遊ぶときにあれば楽
- 滑り止め付き軍手:あれば楽
- 登山杖:あれば楽
- 熊よけ鈴:念のため
- 水と食料:周遊歩道Aの所要時間は90分とされている。しかし、途中には寄り道したくなるポイントや撮影に時間をかけたい景色もある。楽しんで歩くと3、4時間は簡単にかかってしまう。
「周遊歩道A」は中津川の両岸にまたがり一周している。回り方は時計回りがよい。右岸はアップダウンが多い遊歩道であるいっぽう、左岸は緩やかな勾配でほとんどが舗装されている。通行の楽な左岸を帰り道に選ぶのが賢明である。さらに、上流部の折り返し地点では徒渉を余儀なくされる可能性がある。濡れた道具を持ってアップダウンの多い経路を歩くのはうんざりだ。
水源林を流れる川―寄大橋が架かる川―は中津川だが、宮ヶ瀬ダム下流の中津川とは別の川だ。
寄大橋の右岸側が、「周遊歩道A」を時計回りに歩く際のスタート地点である。林道はゲートで封鎖されているが、歩行者は脇をすり抜けられる。
周遊歩道の整備は極めてよい。沢を渡るところには橋が、急な登り下りの区間には階段が付けられている。ベンチも随所にあり、看板も充実している。
巨木林は文字どおり、デカい。
モミジもある。紅葉の季節も良さそうだ。
アップダウンはあるものの、快適な歩道だ。
鍋割山を見渡す地点からは下降していく。山の麓に見える中津川の堰堤が、周遊歩道の最上流部分だ。
さて、コースの最上流部分では中津川―この付近では寄沢―を右岸から左岸へ徒渉する必要がある。どこを渡るべきかは、その日の水量次第で変わってきそうだ。膝ぐらいまで水に浸かる覚悟はしておくべきだろう。
ここは無理そうだ。
濡れる覚悟なら比較的確実に渡れそうなポイント。
この日は周遊歩道が河原に下りた地点からやや下流側に、大きな石伝いに渡れるポイントを発見した。
徒渉地点付近には木橋の残骸がある。もともとこの地点に架かっていたものなのか、上流の登山道から流れてきたものなのかは不明。
徒渉地点近くの左岸からは雨山峠方面への登山道が分かれる。危なっかしいコースのようだ。熊出没注意の看板もある。
左岸を下流の寄大橋方向に引き返していく。歩きやすくて緑も豊かな快適な経路だ。
ただし、ときどき崖からの「落とし物」がある様子だから注意は必要だ。
大正期に植林が始まった「森村山林のヒノキ林」をはじめ、整備が続けられてきた。「かながわの美林50選」にも選定されている。
管理棟を経て寄大橋のゲートに到着。管理棟はゲートからすぐ。コースガイドのチラシも配布しているので、先に寄っておくといいかもしれない。冬場以外の土日ならガイドツアーも実施している。