大室山・加入道山

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アクセス難度
装備:トレッキング
道路:山岳路、狭小区間
交通機関:本数少
行動:90/100(登山道、急峻、徒渉、経路不明瞭、クマ注意、悪条件、徒歩4時間以上)

西丹沢ビジターセンターから用木沢出合までの林道が台風で損傷、尾根までの登山道も荒れていて、このコースは当面お勧めできません。

2018年10月29日に再訪問したときの模様を別のページに掲載しています。
2018年の経路の状況は下記のような状態。

用木沢出合―犬越路
用木沢出合から犬越路までは木橋が流されたりしているものの、所要時間が大きく増えるほどではない。
犬越路―大室山―加入道山―白石峠
台風で倒木が目立つが、稜線上に関しては問題なく通行可能。
白石峠―用木沢出合
2017年に比べ難度が高くなった。渓床を歩く区間が特に荒れている。岩場のクサリもなくなっている。下りで利用して『山と高原地図』の2倍程度の時間がかかってしまった。

ブナだらけ西丹沢ビジターセンターの先、用木沢出合ようきざわであいから反時計回りに大室山おおむろやま加入道山かにゅうどうやまを周回するトレイルだ。木の葉が茂っている季節だと展望に恵まれるポイントはほとんどないが、ブナ林を歩く区間が非常に多い。まさに「ブナぼうぼう」のコースである。
2017年11月10日、標高が高いところのブナの葉はほとんど散ってしまっていた。さらには天候にも恵まれなかった。この年は10月に2週連続の台風接近があり、そのときに葉は紅葉を待たずに落ちてしまったようだ。
もともと尾根道で風が抜けるところにブナ林が多いので、紅葉の見ごろはかなり早そうだ。通常の年でも10月中になるのだろう。

コースはなかなかハードである。距離は11km以上、累積標高差は1100m以上になる。犬越路いぬこえじ避難小屋から白石峠しらいしとうげまでの尾根筋に出てしまえばアップダウンはあっても難路というほどではないが、そこまでの取り付きには急坂があり、歩きにくいルートで大変だ。
徒渉もあるので降雨時や増水が予想される雨上がりの訪問はお勧めできない。装備も軽登山靴や登山杖、雨具など、ひととおりの用意が必要だ。
そして初心者は下りでも登山地図に記載された登りと同じ時間がかかると考えるべきだ。弊サイトでは『山と高原地図』アプリをGPS付きのデバイスに入れておくことを推奨しているが、登山者が少ない区間の下りはコースタイムの査定が非常に甘いので、十分注意して計画されたし。
山歩きの技量は登山地図の時間どおりにこなせる中級程度、撮影や天候・光線の回復を待つ時間は長めという条件で歩いて8時間30分程度を要している。

目指すはあのあたりの山々だ。この写真は大野山からの展望。
大室山は堂々としている

用木沢出合には路肩に5台程度駐車スペースがある。が、お行儀よく止めないと駐車可能台数は目減りしてしまう。
ここらへんに適当に駐車

今回は反時計回りのコースを採用した。まずは犬越路避難小屋を目指す。雨上がりは避けたほうがいい沢沿いのコースだが、最初のうちはよく整備された登山道だ。
木橋もマメに手入れされている
鋼製の桟道や橋も

沢が尽きると犬越路避難小屋に向け急な登りが始まる。グラグラする石も多く、下りでもスピードアップは難しい。このあたりからは広葉樹の森が広がり、標高に応じて変化が楽しめる。
標高に応じて変化する景色

犬越路に到着。避難小屋にはトイレもあり。
犬越路の指導標

犬越路から大室山方向に登りはじめると、早速ブナ林が始まる。富士山の眺めがいい大杉丸も通過するが、写真はない。天気が悪かったんだ。察してくれ。
ブナ、そしてブナ

大室山に近い尾根には笹が多い。風が抜ける吹きっさらしなので、日差しがないとかなり寒い。
笹とブナ林の景色が続く

甲相国境尾根に合流する地点にはベンチあり。大室山山頂はここから片道5分ぐらい寄り道する格好になる。
甲相国境尾根合流点にはベンチがある

神奈川県の標柱と相対して、山梨県の標柱が建つ。
神奈川県の大室山山頂標柱
山梨県の標柱

大室山を後にし加入道山に向かう。最初のうちはなだらかで木道も整備されている。
ここだけはよく整備されている

そしてぐーんと急降下し、加入道山の手前、前大室に向けて登り返す。
下って登る経路が丸見えで精神的にはダメージあるかもね

道中にはこんなものがぶら下がっている。
なんだろうね

「クマヨケ」である。もともとはこの木を叩くハンマーが付属していたらしいが、無くなっている。熊の出没が多いということだから、熊よけ鈴は必携であろう。
クマヨケだそうで

大室山を振り返る。
堂々とした山だ

前大室から加入道山の間も、下って登る。この区間、登山道の整備はいいのでそんなに苦痛ではない。
せっかく登ったのに下るのか
またせっせと登る

加入道山には避難小屋もある。トイレはないが。
避難小屋もきれいに整備されている

加入堂山付近が特に素晴らしい。このページ冒頭の写真も加入道山のカットだ。巨木は少ないが「ブナぼうぼう」の世界が広がる。
翌2018年7月、葉っぱがたくさん茂った季節に加入堂山を再訪している。
ブナ林の加入道山

加入道山から白石峠に下るまでもブナの木は多い。このエリアでは巨木が増える。
巨木が現れる
樹齢200年ぐらいはいっている

白石峠から用木沢出合に下りる区間は難所だ。雨上がりは絶対に避ける。
警告の看板

登山道が荒れているが、補修工事が進められている。しかし、全面的に整備をし直すほどの予算はついていないようで、傷んだところの補修にとどまっている模様だ。
大変な作業だ
登山道はグジャグジャ

クサリ設置箇所あり。難度は低い。
クサリ設置区間

厄介なのはこのような沢の区間。この日は水がなかったが、雨が降ると大変だろう。
歩きにくいぞ
コースはこれで合っているのだ

いつの間にか、石の間から沢が流れ出している。
源流はどこだという感じ

桟道が整備されている区間もあるが、ごくわずかだ。
桟道はちょっとだけ

徒渉も多い。ここを渡れという。木にはリボンもあり、コースは合っている。
渡れという指示

今度は向こうへ。
ベンチもあるから向こうへ渡るコースで正しい

苦戦しながら下っていくと、樹林の間から白石の滝が見えてくる。以降、用木沢出合までは白石の滝のページを参照されたし。上流部よりはマシになるが、この先も徒渉や木橋が連続する。
白石の滝