長尾尾根

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アクセス難度
装備:トレッキング
道路:山岳路、狭小区間
交通機関:なし
行動:60/100(登山道、急峻、ヤマビル注意、クマ注意、徒歩4時間以上)

落ち葉のブナ林が長尾大根の魅力丹沢山系の登山道では、とても地味な尾根道だ。なぜって、途中には山並みがどーんと見えるような絶景スポットはなく、冒険心をくすぐる危なっかしい経路でもない。登り始めの札掛から標高1000m前後ぐらいまでは、退屈な植林の中を黙々と登る。
傾斜は緩やかで階段や木道のような人工物は少ない。落ち葉や土を踏みながら山歩きらしい山歩きを楽しむにはとてもいいのだが、日曜日にもかかわらず登りですれ違ったのはたった一人だった。


この日の経路は単純往復だ。「ピストン」っていわれていて、変化に乏しいとされ、あまり好まれない山歩きのコース選びである。
しかし、最近は単純往復の経路が気に入っている。早朝に登る行きと、日が高くなってからの帰りでは光線の具合も違うし、登りで目に入る景色と、下りで目に入る景色はやっぱり違う。そしてたいてい、下りは心に余裕があって、登りでは気がつかなかったことを発見できたりもする。

神奈川県道70号秦野清川線の札掛ふだかけ橋から、国民宿舎丹沢ホームのほうに少しだけ入る。すぐに15台ぐらい停められる駐車スペースがある。
札掛橋

丹沢ホームの中から登山道が始まる。元気があれば、目指すは眺望が期待できる塔ノ岳だ。
新大日を経て塔ノ岳に至る

登り初めてすぐ、あの木の根っこに黒い動物が飛び込んでいってひやりとした。あまり大きくはなかった。たばこを吹かし、『紺碧の空』を歌って様子をみたのちに通過した。
木の根には熊が冬眠するのだろうか

標高が低い地点でも、チラホラいい景色が目に入ってくる。この眺めは630m前後。
落ち葉と広葉樹は低い地点でも楽しめる

最初のあたりで桟道を5箇所ぐらい渡る。「ぐらい」というのは、ここのように連結された桟道もあるので、数え方に迷うからだ。
手は入れられていて安全だとは思うが、私は桟道そのものが苦手だ。いつも堕ちる心配をしながら、おっかなびっくり渡っている。
桟道も何カ所かある

標高1000mあたり。植林の中にも逞しい木がある。
ベンチも何カ所か設置されている

標高1000mから1100mのあたり。南に植林、北にブナ林という、典型的な長尾尾根の景色になる。
倒木もところどころにある

長尾尾根の白眉は、標高1100mを過ぎたあたりにある「落ち葉座敷」だ。最初の写真もこのあたりで撮影した。
落ち葉が地面いっぱいに
高くなった日差しが落ち葉に差し込む

長尾尾根が表尾根と合流する新大日までの区間の景色。新大日の手前がやや急だが、そのほかは緩やかな尾根道が続く。
落ち葉座敷を過ぎたあたり
倒木には苔がびっしり
谷を見下ろす

長尾尾根は見晴らしのきく登山道ではないが、三ノ塔などの表尾根や、相模湾を見渡せるポイントはところどころにある。