大室山・加入道山2018秋

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アクセス難度
装備:トレッキング
道路:山岳路、狭小区間
交通機関:本数少
行動:90/100(登山道、急峻、徒渉、経路不明瞭、クマ注意、悪条件、徒歩4時間以上)

モミジ、ブナの木肌
昨年は木の葉も散ってしまっていたうえ曇天で辛酸をなめたコースに、2018年10月29日、再挑戦した。西丹沢ビジターセンターの先にある用木沢出合から、犬越路―大室山―加入道山―用木沢出合と周回した。ブナをはじめ広葉樹の多い地域である。
風が通る稜線上では、今年も台風で紅葉を待たずして散ってしまった葉が多い。「錦秋」というわけにはいかなかったが、色づきのいい木はそこかしこに残っていた。
経路については2017年11月探索時の記事を参照していただきたい。稜線に出てしまえば快適だが、取り付きの登り下りには苦労する。
冒頭の写真は大室山山頂の手前でのモミジとブナの木である。

この日は素晴らしい天候に恵まれたが、強風の予報が出ていた。しかし、天気図では等圧線がそれほど込み合っていなかった。これならいけると判断して、出発した。
犬越路から大室山に向けて歩き始める。散ってしまった木も多いけど、まだまだ紅葉がある。
葉っぱの茂りが寂しければ、近くで見ればいい
黄色に色づく

葉がかなり散ってしまったおかげで、見晴らしはむしろよくなっている。手前の谷の向こうには大室山から加入道山、畦ヶ丸、菰釣山などが連なる甲相国境尾根、左側からは大涌谷、丹沢湖、遠くに愛鷹山、そして右側には冠雪した富士山という、雄大なパノラマである。撮影は犬越路から大室山への途中、大室山まで15分ぐらいの地点だ。
名山そろい踏み

木の実は熟している。
富士山の雪に映える赤い実

青空にピンク色が映えるブナの実の軸。こんな色を見せるとは、知らなかった。光線の加減なのかもしれないが。
熟したブナの実、軸はピンク色

甲相国境尾根に合流し大室山山頂までの間に、葉もよく残ったブナの大木がある。この地点は台風による強風の直撃を免れたのだろう。「たわわに」という表現は大げさかもしれないが、たくさんの実をつけている。
稜線に大木がアーチを作る
これを求めて、生き物が集まる

展望がないとされている大室山山頂からも、今の季節には蛭ヶ岳や檜洞丸を望める。
山頂標識の向こうに蛭ヶ岳
檜洞丸も

大室山から加入道山を経て白石峠までの稜線には、台風による倒木が目立つ。どれも簡単によけて通行可能だ。大きな被害だが、ずっと繰り返されてきた森の新陳代謝なのだろう。
倒木が木道を遮る
苔むした古い倒木

アップダウンはあるものの、楽しい稜線歩きだ。
色づく森を歩く
階段が連続する
ずっと富士山が見え隠れ
紅葉の向こうに富士山

道志村側には台風で葉がふるい落とされずに残った木が多いようだ。
稜線の南北で色づきが違う

昨年はなくなってしまっていた「熊よけ」の木槌を寄贈してくださった方がいる。これは「広告大賞」ものだ。
木にぶら下げられたクマヨケ
地蔵の湯旅館、思わずググった

加入道山が近づいてきた。
つづら折りの階段の向こうに
加入道避難小屋へ続くブナ林

加入道山から白石峠まで、倒木が目立つ。
大木も倒れた

ポケモンのウソッキーみたいなこの木は残っていた。
独特な枝振りの木もある

白石峠からの用木沢出合までの下りは、相変わらず登山道のコンディションが悪い。修復はされ始めているようだが、昨年よりも厳しい道のりだ。特に白石峠と白石の滝の間は荒れていて、岩場を登り降りするクサリも流されてしまった。
大理石の岩が露出