雪のユーシン渓谷

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ユーシン渓谷上流の玄倉治山運搬路は通行止
2022年04月02日の状況

(通称)ユーシンブルーへは行けません
雪と紅葉の山が玄倉ダムに映る思いがけない積雪に見舞われた翌日の2016年11月25日、ユーシン渓谷玄倉林道を熊木沢出合まで遡った。
紅葉が散る前の雪化粧を目にすることができたのは、幸甚の至り。
装備は通常ユーシンを歩く場合に加えて…

  • 軽アイゼン:一応持参したが結局は使わず。
  • 靴下:替えの靴下は3足。こちらもいつものように帰りに車に乗る前に履き替えたのみ。
  • タオル:通常2本のところ3本。
  • 手袋:通常は軍手だが水がしみるので革の冬用手袋を別途用意。

この日は降雪の翌日で、気温は低いがよく晴れていた。歩く条件は非常に良かったと思われる。
いつもこんな好条件に恵まれるわけではない。携帯の電波が通じるところはほとんどなく、上流のほうは登山者もわずかだ。雪のない時季と違って、危ないと感じたらすぐに引き返す判断が肝要であろう。

道の駅山北」で様子を見る。標高200mのここでも、山は雪化粧だ。
温暖地住まいでスタッドレスタイヤを持っていないから、道路状況が悪ければここにクルマを置いて、バスに乗り換える心積もりでいた。道路は除雪され融雪剤も散布されていたようで、結果的には玄倉まで車で到着できた。
いつもこううまくいくとは限らない。クルマの場合、道の駅が最初の判断のポイントになろう。
山にはまだ雪が残る

玄倉の駐車場。除雪してくれたのかもしれないが、通行や駐車に差し支えるような積雪はなかった。道の駅やこのあたりの積雪と後述する上流の積雪を比べると、今後積雪期に歩く際の参考になるかもしれない。
ここから先の林道は一般車両通行止めで、歩くしかない。
積雪はだいぶんなくなっていた

玄倉から熊木沢出合まで往復24km。6時間50分かかった。帰りにこの日配布が始まった熊木ダム玄倉ダムのダムカードを入手したかったので、かなり急いでいる。トイレ休憩に立ち寄るユーシンロッジも省いた。つまり、そういうことだ。

標高430mの地点でも、日が当たらないところにはかなり雪が残っていた。
玄倉川の河原にも雪が残る

雪化粧した紅葉はドライフラワーみたいだ。
紅葉に雪化粧
上のほうは雪の白が多くなる
青空と雪

新靑崩しんあおざれ隧道まで来た。こんな日はトンネルや洞門に入るとほっとする。
新靑崩隧道に到着
新靑崩隧道出口の洞門

石崩隧道出口の小滝。水は凍ってはいないが、寒い。
小滝の上に雪

最初の写真を撮影したユーシンブルーを見られるポイント、玄倉ダムまで、1時間半弱かかった。
工事中で作業車が資材を降ろしている。工事は当分続くようで、水量は少なめにされているらしいが、その代わりこのあたりまでは比較的安全に歩ける。
玄倉ダム横を通る
工事看板
ダムで作業中

雪化粧の玄倉第2発電所。ここまでは定期的にクルマも入っている。
川沿いの発電所と雪化粧
電線にも雪

玄倉第2発電所を過ぎると轍は薄くなっていく。
薄くなる轍
轍は消えた

誰かが雪だるまを作った。
指導標の上に雪だるま

そういえば、渓谷らしい写真を載せていなかった。渓谷は道中のそこかしこで撮れるので、当たり前になってしまうのだ。感覚が麻痺して有難味を感じなくなる。
雪景色の渓谷

ユーシンロッジへの分岐点に到着。玄倉から2時間20分かかっている。
ロッジへは雪の坂道を下り橋を渡り、もう一度登る。往復すると1km弱。面倒臭くなったから、トイレ休憩をするつもりだったロッジには寄らず、塔ノ岳方面に直行した(つまり、そういうことだ。誰も見ちゃいねえよ)。
ユーシンロッジへの分岐点
ロッジへの坂道も雪

ユーシンロッジへの分岐点を過ぎると、人の足跡は無くなった。雪も深くなる。
誰も渡っていない新雪の橋
人の足跡のない新雪
カーブミラーにも雪がどっさり

人のものではなさそうな足跡はところどころにある。
雪に足跡を残したのは誰だ

落ち葉が氷漬けになっている。氷を踏み抜くとびしょ濡れになる恐れがあるから、雪の上を歩いたほうがいいだろう。
氷漬けになった落ち葉

やっぱり日向は表情豊かでいいものだ。
雪と落ち葉の日向
日の当たるカーブ
雪の上の紅葉

最後のトンネルを抜けると、熊木ダムの湖面が見えてくる。
最後のトンネル
熊木ダムの湖面

熊木沢出合の指導標に到着した。塔ノ岳方面ではなく、河原へ下る道を進む。積雪は20~25cmぐらいあり、ツボ足で進む。
熊木沢出合
熊木沢出合

片側が崩壊した名物の橋を渡る。脚立にもどっさり雪が積もっていた。
片側が壊れた例の橋
脚立がかけられている

雪化粧した蛭ヶ岳を見上げる。これが見たかった。天気のいい日ならユーシンロッジで折り返すのはもったいない。
銀世界になった熊木沢
山頂にクローズアップ

熊木沢出合の上流側からは熊木ダムのユーシンブルーも見られるのだが、残念ながらこの日は水量が少なく、見事なユーシンブルーは拝めなかった。
雪の熊木ダム