事業所名は横浜市水道局青山水源事務所。ここにある現在使用されている施設も、歴史的な水道施設の遺構も興味深い。水道施設なので厳重に管理されているが、申し込みをすると見学できる。
まずは現在でも使用されている施設から掲載する。かつての設備については歴史的建造物のページに掲載する。
青山沈殿池には国道412号と413号の青山交差点近くから入る。道路はやや分かりにくいが、Googleマップがあれば簡単にたどり着ける。極端に狭い区間もない。
青山沈殿池は道志川沿いに設けられている。冒頭の写真は道志川の対岸を通る道路から撮影してみた。草が枯れ木の葉が落ちる冬でも、沈殿池から管理施設まで含めた全体を俯瞰するのは難しい。
相模原沈殿池と同様、「ネズミ返し」のような、いかついフェンスに取り囲まれている。見学を申し込んで敷地に入らせてもらわないと、フェンスのすき間からカメラを突っ込んで撮影するだけになってしまう。
俯瞰の写真にも写っている旧管理事務所のあたりも、警戒は厳重だ。こうして水の安全が確保されているのである。
敷地内には神社がある。水源神社という。
最初に水が流れ込む排砂池。ここで落ち葉やゴミを取り除く。普段はほぼメンテナンスフリーだそうだが、台風が来たりするとゴミの除去が大変らしい。
「混薬水路」という設備。水をジグザグに流すことで、消毒などに必要な薬剤を混ぜる。
混薬水路を下側から見る。水の落差だけを利用して効率よく薬を混ぜる。なんのエネルギーも使わないのに、よくできた設備だ。もっとも、ここで薬を混ぜるのは水の臭いがきつい場合だけで、普段はとくに薬を混ぜずに運用していることが多いそうだ。
このぐらいのペースで水が流れ込む。
青山沈殿池は相模原市緑区にあるが、横浜市の施設なので作業の車は横浜市水道局。横浜市水道局の軽トラなのに、相模ナンバーなのがちょっと新鮮である。
青山沈殿池とは直接関係はないが、宮ヶ瀬ダムの直下から旧青山取水口近くの道志川に水を送っている津久井導水路の放水口がすぐ隣にある。道志川上流の道志ダムからは、宮ヶ瀬湖に送水する道志導水路もある。中津川の宮ヶ瀬ダムと道志川で水を融通し合っているのである。