神奈川水めぐり

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

日本の人口のおよそ3分の1は首都圏に暮らしている。
それが良いのか悪いのか。そんなことはここでは考えない。
日本国民の3分の1にとって、神奈川県はカネも時間もかからず手軽に行けるディスティネーションであるから、大いに楽しみましょうというわけだ。
その神奈川県は、「水不足知らず」で名高い。夏場の首都圏におけるニュースでは、毎年のように渇水が取り上げられる。しかし、いつも決まって「神奈川県を除く」が枕ことばになる。豊かな「水」はこの県を楽しむキーワードなのである。なので、水をテーマに神奈川県をウロウロしてみる。
弊サイトでは到達するのが極度に難しいところへ行く記事や、やたらカネがかかる場所を訪ねる記事はやらない。
手持ちの服や道具で今度の週末に出掛けられるところがほとんどだ。
コンセプトは、ちょっと頑張れば誰もが追体験できるお出掛けの楽しさを世に広めることである。

季節のオススメ

3月、4月

花の季節到来。桜の名所を訪ねる。

5月、6月

新緑の季節、渓流沿いの林道やブナの森を楽しむ。ただし、熊の出没には要注意だ。複数人での行動を推奨する。
6月1日~7日の間は水道週間で見学会が開催される施設も多いから要チェック。

7月、8月

滝で涼む。ヤマビルが発生する地域もあるので注意。丹沢の東のほうの水辺はヤマビルの巣窟になるところが多いようだが、西のほうには少ないからオススメだ。
夏休みに合わせてダム見学会あり。
夏場はダムの水位が下がる。普段は湖底に沈んでいるものが見えるかもしれないが、草が生い茂る場所ではマムシに気をつける必要がある。

9月

大雨が降ればダムは通常の発電用だけでなく、洪水吐ゲートからも放流するかもしれない。
これでおしまいだ。9月は端境期のような時期で、オススメできるスポットが非常に少ない。

10月、11月

10月後半からは紅葉が進む。オススメは新緑の時季とほぼ同様だ。

12月、1月、2月

真冬は木の葉がほとんど落ちていて、谷あいの滝もダムも見通しがききやすい。雪化粧した山並みも見られるかもしれない。
積雪や道路の凍結には注意。
山に登るスポットは日が短くて大変だが、積雪前のタイミングなら最高の眺めを楽しめる。

制作の顛末

2016年

2016年5月。新緑の季節である。鍋割山のあたりで渓流沿いの林道やブナの森を楽しんだ。

6月は神奈川県内のダムをめぐった。
全部回るには、クルマで移動する場合でだいたい4、5日かかります。
マーカーからも記事にリンクしてあります。
これで神奈川県内のダムめぐりは終了。
6月には水めぐりのハイライト、ユーシン渓谷も歩いてきた。訪問した翌週に熊が出没したのにはビビった。

7月からはをめぐる。
が、捗らない。光線のいい時間に写真を撮る、可能な限り滝壺に浸かる、という条件を設定すると、一日2滝がせいぜいになってしまう。よせばよかった。

7月終わりから8月、ヤマビルの発生がひどいようだ。当たり前だが暑い。滝めぐりは当分休止して、夏休みに合わせたダム見学会ダムカード集め水道施設めぐりに興じた。

8月終わりから9月。ヤマビルの勢いはまだ衰えないようだ。台風もたびたび襲来し、山歩きどころではない。しかし、台風が来れば大雨が降る。大雨が降ればダムは通常の発電用だけでなく、洪水吐ゲートから盛大に放流するはずだ。
そこで9月はこの季節ならではのネタ、ダム放流中の模様を追っている。

と、言ってみたものの、ダム放流はそうそう目にすることができない。三保ダムの放流を見たかったが、まるでダメである。今シーズンはもはや期待できそうにない。
それならほかのものということで、9月末からは水道に関連する施設を回るネタを深度化させた。水の供給を支える導水路も回っている。

またまたこんなこと言ったクセに、10月になり秋は急速に進んできた。川を遡るネタも追加することにした。

ところが11月に入り、またまたまたまた気が変わった。秋といえば紅葉だ。赤や黄色の森をめぐるネタがウケるはずだ。半ば強引ではあるが、豊かな水を支える森林をめぐることにした。さまざまな木が森の保水力を支えているが、集客できそうなキーワードを設定したいという下心があり、ブナ林をカテゴリに追加してみる。カテゴリはブナ林のクセに、モミジがたくさん写っていたりするのはサービス精神のなせる技である。

紅葉っていえば、神奈川県内における珠玉のスポットはユーシン渓谷だ。新緑の季節に取材しているが、紅葉も狙おうとたくらんだ。ところがである。計画のまさに前日、史上まれな11月の積雪に見舞われた。紅葉のユーシン渓谷の計画だったが、雪化粧のユーシン渓谷に変更された。

12月になると紅葉も終わりに近づく。道路の凍結も心配になる季節だ。いっぽう、降雨は少なくなるので、川沿いの道も比較的安心して歩ける。天候が安定しているタイミングを見計らって、道志川の源流域を探索した。2016年は横浜市が道志村の森を水源林として購入してから100年の節目の年であった。鳥ノ胸山から水源林を見渡したり、道志水源かん養林に関連するスポットも訪問している。
ついでに山中湖の相模川源流にも立ち寄った。

2017年

年が変わって2017年。1月2月はやっぱり寒い。温暖な神奈川県とはいえ、山間部では積雪の可能性もある。天気予報と休みの都合をすりあわせるのが大変だ。
しかし、真冬は木の葉がほとんど落ちていて、谷あいの滝もダムも見通しがききやすい。夏にはヤマビルに悩まされる川沿いの歩きも安心だ。雪化粧した山並みも見られるかもしれない。鍋割山稜の麓にあるミズヒ大滝黒竜の滝を訪ね、三保ダムを山から俯瞰した。

3月終わり、桜が気になるが、今年の開花は遅れているようだ。開花情報を集めながら4月にかけて走水水源地城山ダム周辺を回った。

5月、2016年秋には途中で撤退した早戸川を遡る道に、しょっちゅう流される丸太橋が復活しているという情報あり。よっしゃ今だ!ってわけで早戸大滝を目指した。ヤマビルはまだ出没しておらず、かつ丸太橋があるという、絶好のコンディションで早戸大滝に到達した。これにて県内にある「日本の滝百選」はすべて踏破したことになる(神奈川県内に「日本の滝百選」に選定された滝は2つしかないが)。
また、静岡県駿東郡小山町の富士山五合目付近に所在するため、このサイトに含める理屈をどのように編み出すべきか思案していた須走まぼろしの滝を探索した。初回は富士山が見えず、2回の訪問を余儀なくされた文字どおり「まぼろし」の滝であった。
5月末にはブナ林が残る檜洞丸周辺を探索した。シロヤシオやトウゴクミツバツツジの花見で人気の山だが、このサイトでの関心はブナ林である。期間が限られ、しかも花付きが「当たり年」「裏年」に左右される花見と違い、ブナの新緑は5、6月を通じて楽しめる。この山域ではヤマビルの被害も耳にしない。

6月最初の1週間は水道週間である。この時期に合わせて施設公開が実施されたりする。2017年は相模大堰谷ケ原浄水場、そして津久井発電所津久井分水池を見学した。
6月も後半になると、日差しはどぎつくなってくる。涼しいところがいい。ヤマビルがいない山歩きを楽しめるのは西丹沢であるが、もうずいぶんあちこち行ってしまった。西丹沢ならなんべん行っても楽しいのだが、それでは記事にもならない。今まで取り上げていない水辺ということで、箱根の芦ノ湖を探索してみた。よく知られたスポットに行ってもしょうがないし、有名観光地だけに物価もお高い。なので、芦ノ湖西岸を歩いてみた。アップダウンも少なくて楽ちんで、じつに静かな歩きを楽しめた。訪れる人も少なく、誰も知らない箱根の雰囲気である。経路にある深良水門湖尻水門も興味深い。

7月に入ると暑い。何もしなくても暑い。そんな季節にわざわざ出掛ける必要はないのだが、秋までネタができないのも困る。日本最古の水道施設たる、小田原用水を訪ねてみた。用水が面している醤油の醸造元の建物はとても興味深かった。

2017年は相模ダムの竣工から70年の年であり、7月に記念イベントが開催された。相模ダム相模発電所の普段は見られない施設を見学した。

で、なんだっけ。そうだ、夏休みということで、自由研究的な素材になるかもしれないダムカード集めの企画に、電車やバスで回るコースを追加してみた。あんまり勧められませんなあ。最短2日間で県内のダムカードをすべてコレクションに加えられるが、4、5日かけて、ゆっくり見るのが良いのでしょう。

さて、今年の神奈川県は雨が少ない。7月下旬、ダム湖の貯水率は史上まれな水準まで低下してきた。となると、宮ヶ瀬湖丹沢湖、津久井湖で普段は湖底に沈んでいるものが見られる。これでもまだ、「切羽詰まった」水不足には至っていないようであるが、この先の天候がやや心配になってきたところである。なお、相模湖は洪水調節機能がないので極端な水位の変動はしない。

8月に入っても降水には恵まれなかったが、山の日も近くなったころからは雨の日が続いた。台風の影響もあった。ようやく渇水の危機からは脱した模様である。宮ヶ瀬ダムは巨大だが流入量が少ないので水位はまだ低いが、そういう「仕様」なので問題ない。いずれ水位も上がってくることだろう。

大減水からわずか10日あまりで、宮ヶ瀬湖以外はほぼ満タンになった。雨の日が多く、ネタ集めも捗らない。弊サイトも開店休業状態である。

8月下旬、ようやく晴れ間がのぞくようになってきた。残暑は厳しいから水遊びだ。宮ヶ瀬湖の貯水率はまだ低いので、水位の高いときには湖底に沈んでしまう滝を探索した。海と違ってクラゲもおらず、水量が適当ならさわやかな水を楽しめる。滝のすぐそばには神奈川県の水を支える「命綱」といってもいい施設の一つ、道志導水路の放水口も見られる。

貯水率が低くお天道様の下に顔を出しているものが、いつごろまで見られるのかと思い、国土地理院の地図を飽かず眺めている。宮ヶ瀬湖の湖面は低い水位で運用される洪水期をもとに描かれていることを知る。水涯線(≒海岸線)は満潮時を基準に表示されるから、てっきりダム湖は満水時を基準にしているのかと思っていたので意外であった。

9月に入り、相変わらず空模様は今ひとつの日が多い。秋の紅葉シーズンに向けて下見をしておこうというわけで、曇り空ではあったが、やどりき水源林滝郷の滝の様子を見に出掛けた。なかなかポテンシャルが高そうなディスティネーションであるとの結論に達し、晴れた日に再訪し、ページの写真も入れ替えている。